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第10回勉強会

Session 1 「放射線治療の基本と実際」 by 畝川晶子さん(報告者:M. H.) 今回からメンバーによる発表が始まり、トップバッターとして勉強会オーガナイザーの畝川さんが登壇されました。スライドは日本語、発表は英語で、とてもよくまとめられており、内容も発表の仕方も参考になりました

一般の日本人ががんになる確率、がんで死亡する確率 ・ 罹患率、死亡率ともにかなりの男女差あり(それぞれ女性は男性の75%と60%程度) 日本での放射線療法の現状 ・ がんの三大治療法:外科療法、放射線療法(外部照射、小線源治療、内用療法など)、化学療法 ・ 放射線治療が有用ながん:肺がん*、乳がん*、前立腺がん*、食道がん、子宮頸がん、頭頸部がん、悪性リンパ腫、脳腫瘍、膵がんなど(*罹患数が非常に多いもの) ・ 日本では放射線療法を受けるがん患者が他の先進国より低く(米国では66%、日本は29%)、遅れている。 ・ その理由に、外科療法重視、放射線に対する拒否的感情、そして放射線腫瘍医や医学物理士(放射線を用いた医療が適切に実施されるよう、医学物理学の専門家としての観点から貢献する医療職。欧米では医師と対等の立場で放射線腫瘍科に必ず在籍)などの専門家の不足がある。 照射線量の選定 ・ 「放射線治療による線量効果曲線」によると、放射線の効果ががん細胞と正常組織とで異なり、幸いなことにがん細胞の方が放射線に弱いため、正常細胞の損傷が小さくがん細胞への効果が高い線量を選べる。 放射線の主な単位4つ 1) C/kg(クーロン毎キログラム、照射線量。人体にどれだけ当たっているか) 2) gray(吸収線量。生物学的効果を考慮しない被曝線量の単位) 3) sievert(生物学的効果を考慮した被曝線量の単位。人体への影響はどれだけか) 4) Bq(ベクレル、放射能強度) 注) 放影研では以前sievertを用いていたが、生物学的効果(ガンマ線より中性子の方が身体へのダメージは大きい、など)の考慮は難しいため(ダメージが何倍大きいのかを正確に特定できないので)、現在はgrayを用いている。 広島がん高精度放射線治療センター(HIPRAC) ・ 2015年10月に広島駅北口近くにオープン。入院施設はないため、宿泊が必要な場合は近くのホテルを利用しなければならない。 ・ 最新の治療装置を導入 - 小さな領域に多方向・多軌道からの照射を行い、正常組織への障害を最低限に抑えつつがんには高線量を照射 - 呼吸により揺れ動く体内でのがんの位置をリアルタイムに追尾、ピンポイントで連続照射する装置 - 照射の早さが従来の2~3倍の装置 - 照射野がより小さく、小さな腫瘍の治療に最適な装置、など

感想:現在の高度な放射線治療法では、悪影響を押さえつつ効果を最大限にでき、患者になるかもしれない身として安心できる一方、放射線腫瘍医や医学物理士は高度な専門知識を持つ必要があり人材不足とのことで、効果を最大限にする難しさと若干の不安も感じました。勉強会のメンバーとしての発表は、畝川さんの発表もその次の森井さんの発表も素晴らしいもので、それに続き同じレベルで発表をすることはほぼ不可能という感想を持ちました。 Session 2 「正しく発音しよう&心臓の基礎(解剖学的観点から)」by 森井宏子さん(報告者:平林美穂) Session 2は当会メンバーの森井宏子さんが「正しく発音しよう&心臓の基礎(解剖学的観点から)」というテーマでご登壇くださいました。前半の英語の正しい発音では、最低限マスターすべきポイントを医学英単語に絡めて説明してくださり、自分が認識している音と正しい発音とのずれに気づくことができ、大変勉強になりました。

森井さんには以前からも、英単語を調べるときにはオンラインの英英辞書や電子辞書で発音をこまめにチェックするようにアドバイスをいただいており、そのおかげで英単語が頭のなかに定着しやすくなったことを実感しております。また、皆で一緒に発音を練習したことも新鮮な刺激となりました。自分の話したい内容をネイティブに理解してもらえるように正確な発音を心がけることは、コミュニケーションを円滑にする上で大切なことと教わり、基本の発音からもう一度チャレンジするきっかけをいただきました。後半の心臓の基礎は初学者にもわかりやすい内容で、教科書等を読んで自分では理解したつもりになっていたことがいかに曖昧であったかが身に染みてわかりました。解剖生理を勉強するときには、森井さんのように自分の言葉で概要・流れを説明してみることはとても効果的な方法だと思います。要所要所では英語による説明を加えてくださり、キーワードの日英の対応付けができて効率よく学ぶことができました。ご本人は緊張から手も足も声も震えて...とおっしゃっていたのですが、いざ発表がはじまるとそのような緊張を微塵も感じさせないところはさすがでした。

終了後には、森井さんと(森井さんが)持参してくださった心臓模型を囲んであれこれ質問攻めにしてしまいましたが(左室壁はなぜ厚いのか?など)、噛み砕いてわかりやすく説明してくださり、また普段、臓器を立体的にイメージするには限界があるのですが、模型を実際に見ることでさらに理解が深まり、貴重な学びの場となりました。二部構成で飽きさせず、大変充実した内容でした。準備・作成、発表スタイル、発音の練習に集中できるように資料をあとで配付してくださるご配慮など、ぜひお手本にしたいメンバープレゼンでした。ありがとうございました。

Session 3 「Evernote手帳術」by 西垣内寿枝さん(報告者T. K.) セッション3は、勉強会同士のコラボ企画で、大阪の「翻訳者のためのマクロ勉強会(通称:ほんま会)」の西垣内寿枝さんによる「Evernote手帳術」でした。 Evernote(エバーノート)という便利なツールを私が初めて知ったのは数年前。おもしろそうと思いアカウント登録をしたものの、数回使って放置(メモが数える ほどしか残っていません)。便利と言われても、その便利さを実感できていない私にはぴったりの講座内容でした。

まずは参加者のEvernoteの活用度をチェック。使ったことがない人、使ったことはあるけど活用できていない人が多かったです。Evernoteは付箋メモがペタペタ貼られているイメージだと教えていただいて、なんとなく雰囲気がつかめました。 初心者向けに基本的な使い方から、裏技の紹介までありました。プロジェクターでPC上のEvernote画面を映し出しながら操作方法を説明していただいたので、とてもわかりやすかったです。 具体的な使い方として、 ・アカウントの登録 ・PC、タブレット、スマホなどと同期・コピー&ペースト ・Evernote Web Clipper ・名刺やレシートをスマホのカメラで撮影 ・Kindleの読書メモ などを教えていただきました。

なおEvernoteのプランは、ベーシック(無料)、プラス、プレミアムの3種。プレミアムを選ぶと、プレゼン用のスライド作成する、PDFなどのファイルを取り込むといった機能もあるそうです。 最後に私のような初心者へのアドバイスをいただきました。「どんどんコピペしてデータを貯めていきましょう。そのメモがいつか役立つとき、いつかあなたを助けてくれるときがきます。」 具体的なアドバイスもいただいたので、さっそくPCとスマホのEvernoteを同期させ、プランはベーシックのままで、しばらく使ってみることにしました。勉強会後に試してみたことは、(1)調べた用語や参考にしたウェッブサイトなどのメモをぺたぺた貼る、(2)スマホからカメラ機能を使い、いつか整理しようと思っていた紙媒体の情報を写真で保存し、PCからキーワードを入力し、紙媒体は処分。 次はWeb Clipper(ウェッブクリッパー)を試してみます。ウェッブページの気になる記事を簡単に保存できるそうです。調べものの多い翻訳者にとっては役立ちそうです。 世の中には便利なツールはたくさんありますが、使いこなすには時間がかかります。人によってツールの活用方法も違うでしょうから、勉強会の休憩時間にこんな使い方をしていますと情報交換するのも良さそうですね。

お昼はもちろんお好み焼きランチ会で盛り上がりましたが、ディナーオフは川沿いにあるお洒落なレストランでイタリアン!!牡蠣や穴子も堪能しました!(by akoron)

ディナーは川沿いにあるお洒落なレストランでイタリアン!


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